助成金
職場定着助成金について
- 2015年04月27日
- 助成金
4月10日付で雇用関係助成金が改正され、各種助成金の統廃合が実施されました。その中で誕生した助成金の一つに職場定着支援助成金(個別企業助成コース)があります。これは中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)をマイナーチェンジしたもので一部助成のハードルが上がってしまいました。
以前は「労働環境の向上」を促すためのもので改善に繋がる雇用管理制度を導入すれば助成金が出ました。比較的利用し易い助成金なのでこれを機に制度を導入した対象分野の事業主様は多いかと思います。しかし、今回の改正で「労働環境の向上」から一歩先の「従業員の定着」まで達成しなければ纏った助成を受けることが出来なくなりました。主な改正点は以下の通りです。
- 助成対象は重点分野を営む中小企業事業主から重点分野を営む事業主に拡大
- 各分野の制度導入助成が40万または30万から10万に減額
- メンター制度を導入、適用した場合10万円の助成を新設
- 制度導入後、1年間の離職率が導入前1年間の離職率と比べ、一定以上の改善した場合60万の助成
中小企業の制限が外れたのは良いとして、制度導入助成が減額されたのは非常に大きいです。今までは3分野の制度導入で合計100万の助成でしたが、改正後は追加されたメンター制度導入を合わせても4制度で40万と寂しい数字になってしまいました。
ここでいうメンター制度とは直上の上司以外の先輩社員に新入社員等をサポートさせる制度ですが一定の要件に該当する外部の人間の活用も可能です。社内で育てる場合、メンター制度導入に係る講習は研修制度導入と重複させることはできません。
注目の離職率改善に対する助成ですが、事業所における雇用保険の一般被保険者数により目標値が設定されており、それ以上改善しなければいけない点、制度の導入後1年後以降にしか60万円の助成を受けることが出来ない点が欠点として挙げることができます。もちろん1制度ごとに目標達成で60万の助成を受けることができるわけではありません。複数制度導入しても60万が限度です。しかし、旧制度では3制度導入して100万円、現行では1制度導入と目標達成で70万なので見方によってはコストパフォーマンスが上がったように思えます。
中小企業にとってひとり一人のマンパワーは大きく経営に作用し、優秀な人材の確保は大きな課題です。対策をお考えの事業主様はこれを機に思い切って雇用管理制度を見直してみてはいかがでしょうか。その他、本助成金には様々な条件があります。是非、御相談ください。