マイナンバー
そろそろ無視できないマイナンバー①
- 2015年05月07日
- マイナンバー
テレビ報道等では情報漏えいなど導入へのリスク、不安に関することばかりで、制度の内容が見えてこないマイナンバー法。
民間が実施する意識調査においても「わからない」、「まだ対策をしていない」等の声が多数を占めているようです。
政府も急ピッチで準備を進めており、情報が出てくるのが遅いのも事実。
社労士業界も大きな影響を受けるため気が気ではありません。
そのようなマイナンバーについて数回に分けてブログを更新していきます。
また、記載内容は平成27年4月末時点での情報をもとにしています。
最新情報は内閣府、国税庁のHPなどを確認してください。
そもそもマイナンバー制度とは簡単にいうと
- ・個人、法人にマイナンバー(個人番号)、法人番号を付番することによって、社会保障・税・災害対策の3分野で事務の効率化を図る制度
と言えます。
現時点では上記の3分野でのみマイナンバーが使用されます。
そのため、日常業務においては、社会保障、税の分野での対応が必要となってきます。
番号の付番ですが、
- ・マイナンバーは総務省が12桁を付番
- ・法人番号は国税庁が13桁を付番
します。
あまり話題の中心にはなりませんが、行政機関や地方公共団体、法人等のも番号が付番されます。法人番号は、
- ・個人事業主には付番されません。
HP等で法人番号と共に、名称又は商号、主たる事務所の住所と共に一般に公開され、官民を問わず利用できます。
番号の変更は出来ず、精算等をした場合でも消滅することはありません。
消滅理由、年月日等が公表されます。
法人番号の送付先ですが、
- ・登記上の主たる事務所の住所に送付される
ので、注意が必要です。
法人番号は公開されるので顧客の管理等、様々な使い方ができると思います。
マイナンバーですが、
- ・住民票のある全ての個人に対し、住民票の住所に通知
されます。住民票があるかどうかが基準ですので
- ・中長期在留者、特別永住者などの外国籍の方も対象
となります。会社での事務にマイナンバーが必要となりますので住民票の住所と違う場所に住んでおられる従業員様、通称名を使っておられる従業員様への対応も必要となります。
取扱いですが、マイナンバーも個人情報の一部です。一人ひとつの番号で行政サービス等に利用できますので非常に重要なものです。個人情報の漏えい、成りすまし等による不正利用等の防止の観点から
- ・マイナンバーを取り扱う全ての事業者、行政機関等に
- ・個人情報保護法の個人情報より高いレベルでの管理を要求
されています。
一昔前に個人情報保護法が施行されました。
こちらは対象を一定範囲に限っていましたが、マイナンバー法は上記のように取り扱う全ての事業者が対象となっています。
個人情報保護法の対象となっていた事業主様はある程度の対策をされていると思いますが、対象となっていなかった事業主様は一からの個人情報対策が必要となってきます。
事業者に義務付けられているマイナンバーに対する主な保護措置として大きく分けて
- ・利用制限等
- ・安全管理措置等
- ・収集制限等
の3つあり、
マイナンバーを含む個人情報のファイルの作成制限、マイナンバーを含む業務を委託する場合の措置、社内設備や組織的対応について、保管方法、収集時の本人確認の手法などなど、多岐にわたる内容が規定されています。
しかし、安心してください。
- ・個人情報保護法の対象となっていなど一定の用件に該当する中小規模の事業主様には安全管理措置について特例
があります。
一定の要件に該当する中小規模の事業主様はハードルが低くなります。身構えずにじっくり対策を練っていけば十分に対応できます。
マイナンバーの監督機関は特定個人情報保護委員会であり、公正取引委員会、国家公安委員会と並ぶ、三条委員会ですので独立性が高く、監視の目も厳しいものになっています。
また、
- ・マイナンバー法の罰則は個人情報保護法より非常に厳罰化している
ため、事業を守るためにもしっかりとした準備をしていきましょう。
最後にマイナンバーの付番、運用ですが
- ・平成27年10月から通知開始
- ・平成28年1月から順次運用開始
です。まだ時間はあります。しかし、もう無視はできません。
次回からはもう少し具体的に見ていきます。
マイナンバーに関するご相談は是非、社労士まで。