人材確保策として有効? 今どきの「社員寮・社宅」事情
- 2017年11月27日
- 社会
今、社員寮や社宅を復活させたり充実させたりする企業が相次いでいるようです。
福利厚生の充実ぶりをアピールすることで、優秀な人材を確保したいという企業側のねらいが背景にあるようです。
・今どきの社員寮・社宅
これまでも、企業は採用状況が厳しくなると社員寮の充実に力を入れる傾向がありましたが、昔のような相部屋では、今どきの若者には敬遠されてしまいます。
そのため、家賃が安く、なおかつ“プライバシーが確保されつつも、入居者同士が適度に付き合える”環境を整備した社員寮が人気のようです。
・社員寮・社宅の効用
人材確保という面では、社員寮に入居すれば社員の親にも安心してもらえるので、採用活動にプラスになるというメリットがあります。また、食事の提供などによって社員の健康対策・メンタル対策としての役割や、災害時には社員の安全を守り、業務の早期復旧を目指すという目的もあるようです(実際、社員寮に非常食や発電機、防災井戸を備えている所もあるそうです)。
他にも、自社の社員だけでなく、複数の企業の社員が共同で暮らす社員寮も出てきており、会社の枠を超えての交流ができると人気のようです。
このように、社員寮は人材の確保・離職防止に役立つだけでなく、共同生活によって社員同士のコミュニケーションが増えることで連帯感が生まれたり、職場の活性化にもつながったりすることから、会社だけでなく社員の側からもその重要性が見直されているようです。
社員寮・社宅は、運営コストかかり業務が煩雑であるため、企業にはそれなりの負担がかかりますが、それ以上の効用が会社・従業員双方に期待できそうです。
・社宅がある企業の割合
人事院が行った「平成28年 民間企業の勤務条件制度等調査」の結果によると、常時従業員数50人以上の全国の企業4,438社のうち、社宅を有する企業の割合は46.8%となっています。
また、保有形態別(社宅を有する企業を100とした場合)でみると、自社保有社宅を有する企業の割合は31.2%、借上げ社宅を有する企業の割合は92.2%となっています(複数回答)。